病棟から転職し、訪問看護ステーションで働いた結果!
看護師の多くの方は、エスカレーター式に就職先の病院が決まったりします。
就職しても、3年はいないと話にならないなんて言われたりもします。
3年終わる頃には、まだまだリーダー取り始めたばかりなんだから、退職するのは勿体無いよ、などと話される事が多く、病院以外の選択肢に行き着くこともむずかしいかと思います。
私は何に関してもいろんなものを見てみたいと思うタイプであり、仕事に関しても同じです。正社員〜派遣と勤務形態は違えど、病棟、クリニック、イベント、デイサービス、訪問入浴等、いろんな看護を提供した経験があります。
人によって重要視する部分は事なると思いますが、今回は「病院から訪問看護ステーションに転職した結果」のメリットとデメリットを記載していこうと思います。
1.訪問看護ステーションに転職したメリット
保険制度や退院支援の知識が身に付く
病院勤務だと、保健制度や治療費については全て事務スタッフに丸投げしているかと思いますが、訪問看護師だとそうはいきません。
ご家族本人の希望に沿ったケア内容、料金、関わり方を試行錯誤し提供しなければなりません。そんな在宅療養のサービスを提案をすることが多いのは、患者さんを一番身近にみている看護師なのです。(サービス提供の管轄をしているのはケアマネージャーさんです)
そのため、嫌でも介護保険、医療保険、自立支援、障害者手当などいろんな物の知識が深まります。またその際、一緒に料金に関する説明もしないとならないため、保健制度に伴う自己負担料金について詳しく知っていくこととなります。
初めは意味不明でわからないことが山ほどありました、これらの知識を持って病棟やクリニックに戻ったとしたら、相談に乗れることや対応できることが増え、スキルアップにつながるかと思います。
また、病棟に戻った場合「退院後の生活に必要なサービスが何か」という事が予測できるようになるため、退院支援の分野においてとても役立つでしょう。
国として早期退院、在宅療養を勧めている現状にあるため、今後は病棟勤務であっても必須なスキルになると思われます。
営業マナーの勉強ができる
ステーションによっても異なりますが、新規の利用者様を確保できなければ売り上げを達成できず、ステーション閉鎖...なんて事もよくあります。
そのため、訪問看護を依頼してもらえるよう、ケアマネージャーさん、病院、クリニック、地域包括センターなどに営業にまわる必要があるのです。
病院勤務ではやることのなかった、文書やファックス送信のマナーや、名刺交換、また、業績向上のために広報活動をしたりと、いろんな経験を積むことができます。
一般的な看護師に必須なスキルでは無いため、ステーション勤務にならなければ一生知ることのない知識だったと思っています。マナーを習得しておけば様々な場面で失礼の無い対応を取ることができるため、人間として成長できたと実感しております。
全体的に看護師が優しい
私の見てきたステーションの傾向として、本当に優しい看護師さんばかりです。病棟勤務では恐怖や不安でびくびくする毎日でしたが、ステーションに入職したばかりの頃、先輩方がとても優しく関わってくれたのに衝撃を受けたのを覚えています。
何でステーションの看護師が優しいのかは、「余裕があり、プライベートが充実する」からだと思っております。あとは、人と関わるのが好きな人が集まるのも、一つの理由かもしれません。
病棟でひどいめに合った看護師さんが、逃げるように就職してくるケースも多くあります。そんな方々も恐怖感なく安心して働けており、かくゆう私もその中の一人です!
プライベートが充実する
断トツのメリットです!包み隠さず、全てお話しちゃいます。
給料に関して
入職して間もなければ基本給しかもらえず、病棟の頃と比べると稼げなくなったと落ち込んでしまうかもしれません。(夜勤手当てが無くなり、月5万円前後減る)
しかし、ほとんどの訪問看護ステーションでは、売り上げ(訪問件数)による「インセンティブ手当て」というものが付きます。
例えば、「月に60件以上訪問にまわってくれたら、1件につき3000円の手当てをあげる」というものです。仕事に慣れ効率的に訪問にまわれるようになったら、病棟勤務の頃を遥かに上回るお給料になります。人によってスピードは違いますが、1年もすれば慣れて来ると思います。
また、「オンコール手当て」というものもあります。これは、平日夜間や土日祝日に電話相談(必要があれば緊急訪問)の担当をしたらもらえる手当てです。例えば平日一晩3000円、土日祝日1日あたり5000円など、ステーションによって料金設定がなされます。
勤務時間について
病棟やクリニック勤務だと、とても早く出社したり夜遅くまで残ったり、当然のように残業していました。訪問看護ステーションの場合、早く出社して情報収集したり、点滴や内服薬の準備をする必要もありません。そのため勤務開始5分前くらいに皆出社してきます。
そして残業については、状態悪化していたりトラブルが無ければ、契約した時間内でしか訪問サービスを行えないため、勤務時間ギリギリまで訪問が入っていたとしても残業になることはまずあり得ません。それに自宅が近ければ、最後の訪問が終わり次第、直帰(会社に戻らず自宅に帰ること)できるステーションも多くあります。
有給についても、訪問と訪問の空き時間に1時間だけ有給を取得し家に帰ったり、銀行や役所に行ったり、自身の病院受診に行ったり、有効的に時間を使うことができます。
このようなことから、お給料も十分にもらえて、休日や休息の時間も十分に確保できて、やりたかった事ができるようになります。私の場合は、ずっとやりたかったダイビングの趣味を始めたり、念願だった猫を飼い始めたり、仕事によるストレスや疲れが蓄積しなくなりました。
2.訪問看護ステーションに転職したデメリット
福利厚生が充実していない
お給料に満足できたとしても、住宅手当がない、退職金がない等、病院程は充実していないことが多いです。そのため、事前に福利厚生を確認して就職しないと、予定外の損失になりかねません。
急性期や術後患者が見れない
長期的に患者さんと関われ、病気発症〜看取りまでケアすることができます。しかし、病院でないと術後や急性期治療の経過は見れないです。そのため、急性期の知識を深めたい場合は在宅ではむずかしいかもしれません。
医療処置があまりできない
在宅で月90〜100件の訪問にまわったとしても、採血2件、尿管交換1件、点滴2件、人工呼吸器管理1件、ストマ管理2件、くらいしか出来ず医療処置の頻度は低いです。
経験があまり無いと練習する機会も少なくなってしまうため、看護師として自信がつくのに時間を要する可能性があります。
訪問ステーションの新卒看護師受け入れは年々増えてきておりますので、きちんとした教育制度があるステーションなのか、新卒の受け入れをした実績があるのか、確認をしてから就職するのが確実かと思います。
※問い合わせてステーション見学することをお勧めします!
3.結論、自分にあっている働き方を見つける
病棟でも訪問ステーションでも、人それぞれの捉え方によって働きやすところは異なります。
私の場合は、患者さんと話す時間を確保でき、いろんな知識を吸収し、尚且つプライベートの時間を確保したいタイプなので、訪問看護がとても合っていました。
多数の医療処置をこなしつつ、先生の処置介助にも応援に入りにいくような積極的な方は、医療好きな方で病棟が合っているのかもしれません。
もし迷っているのでした、いろんな所に見学に行ってみてくださいね♪
転職活動中の看護師さんが良い職場に出会えることを祈っております。
在宅介護での訪問看護の役割とは?サービスを受ける流れ、やってもらえる事を解説。
在宅介護を続けていると、「訪問看護のサービスも開始してはどうでしょうか」と先生やケアマネージャーさんに言われたことがある人は多いと思います。
ですが、別に点滴をしているわけでもないし、熱が出ているわけでもなし、何のために訪問看護が必要なのか。
今回はそんな「訪問看護って何をしてくれるのか、必要なのか」についてまとめていきます。
利用者様やご家族だけでなく、新人の訪問看護師さんや、訪問看護に興味ある看護師さんも、今回の記事を読んだら「訪問看護師」というものの役割が見えてくると思います。
1.訪問看護はどんな人に対し提供され、どうやったら受けられるのか
サービスを開始する方で多いのは、病院で手術や治療をしていた方に対し、退院後の生活フォローのために訪問看護サービスを導入するというものです。
他にも、精神疾患(多いのは統合失調症やアルコール依存症など)や小児疾患(発達障害やアトピー性皮膚炎など)の方々も、医療保険を使用して訪問看護をい受けることが可能です。
かかりつけのお医者さんに訪問看護指示書というものを作成してもらえたら、サービスを受けることができます。
病気で悩まれていて通院しているのであれば、指示書作成を断られるという事はほとんどないです。
〈高齢で介護保険利用の場合〉
要介護1〜5の認定を受けているのであれば、ケアマネージャーにご相談。
要支援1〜2の認定を受けているのであれば、地域包括センターに相談。
※介護保険を持っていなければ、早めに申請だけでもしておきましょう。
〈精神疾患や小児疾患の場合〉
かかりつけ医に相談し訪問サービスの適応であれば、お医者様、または家族本人が訪問看護ステーションに連絡し依頼する。
※特定難病や精神疾患でしたら、保健所で手続きを済ませれば自立支援でのサービス介入となり、医療費を大幅に抑えることができます。
2.訪問看護とは何をしてもらえるのか
利用者様によってサービス内容が大きく異なるため、下記に挙げさせていただく内容は一例です。ご家族に当てはまらないか、参考にしてみてください。
①医療者目線で体調確認してもらえる
既往歴に合わせた診察、生活習慣による体調変化はないか診てもらえます。
・薬が体に合っておらず副作用が強かったり、効果が認めなかったりしたら、主治医に報告相談。内服忘れがあれば薬カレンダーなどを活用し内服の管理徹底も行う。
・食事内容や体重の変化がないか、呼吸苦や肺雑音がないかなど、基本的な観察。
・術後退院であれば経過は良好か。
・ご家族が病気について不安があれがアドバイスをする。
利用者様の既往歴や性格によってもサービスは変化するため、看護師が1度目の訪問で情報取集をして、それ以降は利用者様に合った診察やケアを提供してくれます。
病態悪化を予防するための体調確認や薬管理だけであれば、週1回の訪問でも安心かと思います。
②病気でもお風呂などの清潔ケアをしてもらえる
利用者様がどの程度動けるのか、既往歴による活動制限はないかなど、状態に合わせてケアを提案してくれます。
・活動ができず失禁傾向であれば体拭きとおしも洗い、動けるのであればシャワー浴介助など、状態に合わせて介入します。
・心臓疾患があり活動制限がある方や、チューブにて持続酸素投与が必要な方なども、主治医の許可があれば状態悪化に注意しシャワー浴もできたりします。
・床ずれや傷などがあれば、処置もしてもらえる。
様々な疾患の陰には「清潔が保持されていなかった」という事が原因な事が多いです。そのため、最低でも週2回は体拭きやシャワー浴を行い、おしも洗いは毎日行うのがベストです。
ご家族で難しければ、訪問看護師やホームヘルパーに依頼する形になるかと思います。
③排便コントロールをしてくれる
高齢の方は腸の活動低下し、便秘で悩まれている方が多くいます。3〜4日排便がないと食欲不振につながり、最悪の場合は腸閉塞になるリスクもあります。
・食事内容や下剤の調整をアドバイスする。
・強固な便秘であれば週2回訪問し、浣腸や座薬を使って排泄を行う。
・排便感覚が無かったりいきむ力が無ければ、週2回訪問し摘便する。(指で肛門から掘り出す事です)
排便コントロールに関しては、どの利用者様にも通じる課題ではあると思います。そのため、便秘のご相談をしなくても必ず腸の状態は診察してくれます。
④医療的処置.管理をしてくれる
基本的に、病院で行っている看護業務のほとんどは自宅でも実施可能です。
※特別な器具が必要な検査や治療は自宅でできない事もあるのでご注意ください。
・経管栄養の投与、胃ろう管理
・ストマ管理、交換
・人工呼吸器管理、吸引
・点滴採血(主治医の指示のもと)
・腹膜透析管理
・麻薬の持続投与(末期癌の方など)
書ききれない程、たくさんの医療的処置を依頼することができます。自宅で行う想像ができないと思うので、「医療行為が必要な状態になってしまったれど、自宅に帰れるのだろうか」と不安になった際は、医師や看護師に相談してみてください。自宅に帰れないなんてことはほとんどないです。
※少しでも動いたら命の危険性がある方の自宅退院は、主治医の判断次第です。
⑤自宅で最期の時を迎えたい場合、全面的に手助けしてくれる
・上記1〜3の内容はもちろんですが、お亡くなりになってしまうまでの間に、家族と本人の死対する心の整理も援助してくれます。
・訪問診療と訪問看護のサービスが入っていれば、何かあった際にすぐ駆けつけてくれたりと安心できます。
・末期癌の診断であったり、連日の点滴が必要な状態(口から何も食べれないなど)であれば、特別訪問看護指示書というものを主治医の先生が作成してくださります。その場合、通常介護保険でのサービス介入だったところ、医療保険でのサービス介入に切り替わります。
要するに、点滴や体調確認、医療器具の管理などで毎日訪問看護のサービスが必要になってしまっても、大幅に料金を抑えての訪問依頼が可能になるのです。
3.結論、訪問看護サービスを受けるべきか
ケアマネージャーさん、病院の退院支援担当者、お医者様、どなたかに訪問看護サービスを勧められた方が大半だと思います。様々な方を見てきた経験をもとに、一般の方では気づけない危険性を感じ、サービスを勧めているのです。
そのため、医療従事者に訪問看護サービスにを勧められた時点で受けた方が安全だと思います!
医療者の目が入るというのは、それほど大きな事だと私は思います。
今回は、ざっくりと訪問看護とは何かをまとめさせて頂きました。
質問や気になることがありましたら、ぜひコメントお待ちしています!
利用者様、介護者様、新人の訪問看護師さんに少しでも役立つ情報を共有していきますので、皆様の不安が解消されることを祈っております。